Medical staff メディカルスタッフ職

児童指導員Instructor

敦賀医療センター
片山浩暉
  • 2017年入職

自分の固定観念や善意の思い込みが、患者さんのためにならないこともあると学びました。

児童指導員は患者さんの気持ちを汲み、少しでも豊かな生活が送れるようにする福祉支援策の調整をしています。しかし、「児童」という言葉とは裏腹に、患者さんには重度心身障碍者や、神経系の難病の方がいらっしゃって、何年もの長期にわたる入院を余儀なくされている高齢者の方が多いのも実情です。
そういった症状の重い方は、自分の意志や感情を表せない方が多く、正確に何をしたいのかを読み取ることが大変です。しかし、ほんの少しの反応、例えば光の刺激に反応して笑顔を見せられたり、テレビから流れてくる音楽に反応されたりといった細かなところを見逃さずに対応するようにしています。
入職してすぐはただただ一生懸命で、ついていくだけで精一杯でしたが、1年間の経験を積んだ2年目からは、自分で考えながら、患者さんの求めているものをつかむようにしています。それが仕事のやりがいにもつながっています。
患者さん個々の思いはまちまちなので、つい自分の固定観念や思い込みで対応してしまっていないかと思い返したりしています。例え善意であっても、そのときの患者さんには当てはまらないこともあるからです。現場ではまだまだ学ぶことばかりです。

専門の心理学をいかしたいので、この道を選びました。

児童指導員になるには社会学、福祉学、教育学のいずれかを学ぶ必要があります。私はこの3科目すべてを履修していたのですが、専門が心理学だったので、就活では心理学をいかした仕事に就きたいと考えていました。
実を言うと、学生時代は児童指導員のことは詳しく知りませんでした。先生に心理学がいかせること、しかも医療の現場でいかせる職種であることを教えてもらって初めて、積極的に応募しました。
今勤めている敦賀医療センターには、私を含めて3人の児童指導員がいます。実際の業務は施設の特性によって変わるのですが、患者さんの福祉の充実を最大限にはかるという根本は変わりません。専門の心理学で学んだことをいかしながら、患者さんの意向を汲み取り、周囲の方々との調整役となって働けることに、今はとても満足しています。

自分なりに色んな工夫が凝らせるところが楽しいです。

患者さんへの直接の支援はほとんど保育士さんが行うのですが、児童指導員は患者さんの状況を見極めながら、保育士さんが行う支援策を事前に準備して、うまく遂行されるように調整しなければなりません。患者さんが日常的に使う補装具の調整もそのひとつです。
実際にある患者さんで車椅子を新しくしたときのことです。後ろ向きにしか進まない旧式の車椅子を、患者さんの意向で、前向きにも漕げるタイプに更新しようとしたのですが、最終的な形にするまでに担当の医師をはじめ、看護師、保育士、理学療法士、臨床検査技師などの病院関係者のほか、ご家族や装具メーカー、さらに補助金助成のための役所など、様々な人の意見を調整しなければなりませんでした。
その中で、まとめ役になって自分の工夫がいかせるところが児童指導員の仕事の楽しいところです。福祉改善のための企画や人との交渉に、心理学や自分なりのさまざまな工夫が役立っていると感じられる瞬間です。

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